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【Kindle Scribe 実機レビュー】「手書きできるKindle」としてはいいが、仕事・勉強のノートとしては使えるか?

PC・Tablet

こんにちは、MATTU(@sunmattu)です。

Amazon Kindleから大型電子ペーパー端末「Kindle Scribe」が発売されました。

Kindleは6インチ、B6程度の大きさのものが多かったですが、Kindle Scribeは10.2インチ、B5程度と2倍にまで広がり、単行本や雑誌の電子書籍でも非常に読みやすくなっています。
また、Kindleとして初めてのペン入力にも対応。手書きノートを作成することもできますし、自前のpdfや一部書籍にも手書きメモを残すことができます。

大型Kindleとしては読みやすく、ペンの書き心地もいいのが非常に気持ちいいですが、「電子ペーパー端末」として仕事や勉強の用途にはどれだけ使えるでしょうか?

今回は、Kindle Scribeのメリット・デメリットをレビューしていきます。

▼動画でもレビューしています!

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手書きメモもできる「Kindle Scribe」の魅力

まずは、Kindle Scribeの魅力をレビューしていきましょう。

高級感のあるKindle Scribe!大きめで、ちょうどいい!

Kindle Scribeは、アルミ製ボディで素敵。
今までのKindleでも、価格の高めなKindle Oasisではアルミボディを採用しており、似た質感です。

Kindle Scribe(左)とKindle Oasis(右)

ボディの質感は両者似ていますが、持ち手側(ベゼルが太い側)は厚みもあるKindle Oasisとは異なり、Kindle Scribeは厚みが均一です。「ペンで書く」を意識しているからでしょう。

また、背面には、PCにはよくあるすべり止めが施されています。

ゴム製ですので、テーブルに置くときも柔らかい音がします。
スマホやiPadなどのタブレットより、テーブルに置くときの安心感もありうれしいです。

Kindle Scribe(左)とKindle Oasis(右)の画面の大きさの違い

Kindle Scribeは10.2インチ、Kindle Oasisは7インチ。
インチは対角線の長さなので、面積にすると100対49。2倍の広さを誇ります。

大きな画面でKindle書籍を読みたい、という方にはいいでしょう!

同じ画面の大きさの、Kindle Oasis(左)とQUADERNO A5(第2世代)(右)

国内メーカーの電子ペーパー端末としては、富士通のクアデルノが有力です。
Kindle Scribeと、第2世代のQUADERNO A5を比較してみると、端末の大きさの違いはありますが画面は全く同じ。
Kindle Scribeは片側の横側にベゼルが寄っていますが、QUADERNO A5は縦(上下)に少しベゼルがあります。

同じPDFを表示。左がKindle Scribe、右がQUADERNO A5(2nd)

上の写真は、同じPDFを、大きさもほぼそろえて表示した状態(バックライトはオフ)です。
条件をそろえて表示させると、文字の見やすさや細かさはほぼ同じように見えます。

実際には、Kindle Scribeはバックライトがついており、あまり意識せずに自然に表示できます。
PDFの文字領域を認識し、最大化表示されています。
QUADERNO A5(第2世代)にはバックライトは搭載されておらず、PDFは初期状態では拡大されずに表示されます(ピンチイン操作で拡大可能です)

手書きメモ、書き心地がめちゃくちゃいい

Kindle Scribeは、手書きメモの書き心地がめちゃくちゃいいです。

Kindle Scribeの「プレミアムペン」

ペンは付属されていますが、スタンダードペンとプレミアムペンの2種類があります。
迷わず「プレミアムペン」を選びましょう。サイドボタンと消しゴムが使えるのは大きいです。

ペンのショートカットボタンは、設定で変更可能

ペンのサイドボタン(ショートカットボタン)は、設定で変更可能です。
初期状態では「ハイライト」(蛍光ペン)になっていますが、消しゴムに割り当てたほうが手書きの際は便利です。

ペン自体は、ワコムのEMRペンを採用しているようです。
Galaxy Note・Sシリーズで付属しているSペン(Fold Editionを除く※)や、富士通のQUADERNO(第2世代)、BOOXシリーズのペンも同じように使用可能です。
※Fold Editionは「消しゴム」として動作します…

書いて比較してみた!左はKindle Scribe、右はQUADERNO A5(2nd)

クアデルノと書き心地を比較してみましたが、同じペンで書いても画面側の摩擦が異なります。
クアデルノのほうが画面側の摩擦が強く、Kindle Scribeのほうがすらすら~っと書ける印象です。
Kindle Scribeは摩擦が抑え気味ですが、iPadのようにつるつるとした感じではなく、字が躍るような感じではありません。

なおかつ動作が速いのが好印象です。
電子ペーパー自体は画面切り替えの際にリフレッシュがかかることもあり、液晶・有機EL画面と比べると基本ワンテンポかかります。
Kindle Scribeも同様ではあるのですが、マシン動作としても、他社10インチ端末に比べ比較的速い印象があります。

ペンを書いているときの追従性や、メニュー選択・画面表示切替などでも、ほかの電子ペーパー端末より「快適」といえるでしょう。

それが書き心地にも影響している気がします。めっちゃ快適。

Kindleの純正端末、だからこその「電子書籍」を読む快適さ。画面も大きく読みやすい

Kindleシリーズだから当たり前ではあるのですが、Kindleの電子書籍を読む快適さが、ほかの電子ペーパー端末とは段違いにいいです。

▼実際に動作の様子を動画でも公開しています

書き心地でも言及しましたが、動作が快適。

また、BOOXなど他の電子ペーパー端末は、AndroidのKindleアプリを無理やりインストールして動作させているので、画面遷移などが結構もたつきを感じます。
Kindle Scribeは、Kindle純正端末ということもありかなり快適です。

上の動画では、Kindle ScribeとBOOX Nova3 Colorで比較していますが、Kindle Scribeのほうがだいぶ快適であるということがわかるでしょう。

細かい字も読みやすい!同じ雑誌を拡大表示せずに表示した場合

レイアウトが固定されている電子書籍では、従来のKindleだと拡大しないと読めない時もあったりしましたが、Kindle Scribeは結構くっきり読めます。

電子ペーパーは画面リフレッシュなどの関係で、できれば拡大せずにそのまま読めたほうがサクサク読めます。
大画面でサクサク読める便利さと、Kindle純正端末ならではの快適さを掛け合わせた、非常に頼もしい端末に仕上がっていますね。

シンプル。「紙とペン」を再現した使い心地

Kindle Scribeのノートブック機能は、良くも悪くもシンプル。
基本的には、「紙とペン」を再現したような使い心地です。

ペンの種類の比較

ペンの種類としては、Kindle Scribeは1パターン+蛍光ペンという編成。色も黒一色のみと、シンプルです。
シンプルが必ずしも悪いというわけではなく、「わかりやすい」という側面もあります。

また、手書きを選択してコピー・移動が可能な「投げなわツール」も、Kindle Scribeには現時点で搭載されていません。

多機能な電子ペーパーもありますが、シンプルに「紙とペン」を渡されて書く感じに似ています。
はじめて電子ペーパー端末を渡されて使う場合、戸惑うことが少なく、ちょうどいい感じがします。

一方、今までクアデルノやBOOXなど他社の電子ペーパー端末を使ってきた方にとってみれば、戸惑う部分もあると思います。

純正の「プレミアムレザーカバー」がかなりいい感じ

Kindleはサードパーティからも多くカバーが発売されていますが、Amazon純正のKindle Scribeプレミアムレザーカバーがいい感じです。

「プレミアム」という名の通り、高級感のあるレザーで仕上がっています。
縦開きですが、折り目が二つ付いています。

Kindle Scribe本体は、磁石でくっつけます。
着脱が簡単ですし、左利きの方は180度ひっくり返した状態で使えるのもうれしいです。

テーブルの上に角度をつけて置くことができます。
ちょうどいい角度で、書き心地はいい感じです。

ペンは、ケースの下のホルダーにしまっておくことも、Kindle Scribe本体のサイドに磁石でくっつけることもできます。

かなり満足度の高いカバーです。

Kindle Scribeを使って感じたデメリット。「ペンが使えるKindle」としてはいいが…

Kindle Scribeを使って、ちょっとモヤモヤするポイントをご紹介します。

PCとのデータのやり取り、同期・連携、仕事で使うにはきついかも。「Send to Kindle」が手書きメモ端末には中途半端

Kindle ScribeへPDFを取り込む際は、「Send to Kindle」という機能を使ってメールなどで送る形となります。

また、ウェブ用「Send-to-Kindle」を使うと、ブラウザからアップロードすることも可能です。

書き込んだPDF文書やノートを取り出す際も、メールで送信すると取り出せます。
ワンタッチでメール送信が可能です。

他のデバイスでは、「ノートブック」についてはAndroid向けKindleアプリなどでも確認可能です。
PCなどで確認する場合は、Windows 11でAndroidアプリが入れられる最新のバージョンにしていれば、Amazonアプリストアから最新のKindleアプリをインストールすることで、ノートブックを閲覧できます。

Kindleアプリを開き、メニューから「ノートブック」を選択
開けば閲覧することも可能

ただし、ノートブックの中身を閲覧することはできますが、編集やエクスポートはできません。
エクスポートする場合には、Kindle Scribeから1ファイルずつ、エクスポート操作が必要です。

ノートの数がそんなに多くなければ、大した手間にはなりません。
仕事などで書類の数が増えると、バックアップをその都度行う必要があり、書類が増えると管理が大変だと思います。

手書きの書き心地がいいのは素晴らしいのですが、電子ペーパー端末に慣れた方がペンでの手書きをメインで使うには、少し大変だと思います。
書類を全部Kindle Scribeに入れて管理する、というのではなく、会議など議事録をメールでその都度クイック送信し、毎回PCやメールでデータを蓄積する(ほんとに走り書き程度のメモ)、という形であれば、いいのかも。

Kindleのクラウドサーバーと自動同期はされているようなので、このファイル操作などがアップデートなどで使いやすくなることを期待したいですね。

なお、富士通のクアデルノは、PCとの連携機能が秀逸なのです。仕事で手書きメモや文書管理をメインで使いたいという方は、クアデルノのほうがいいかも。

Kindle書籍への手書きメモ、固定レイアウト書籍は対象外。

Kindle Scribeへの手書きメモは、Kindle電子書籍でも書くことができます。

文字を拡大・縮小できる、レイアウト変動可能なテキスト書籍への手書きメモ

基本的には、書籍に付せんをつけたところにメモをする形です。
対象の書籍では画面端にペンのメニューが表示されます。タップで付せんをいれ、画面下側のメモウインドウ内にメモをします。

イメージとしては、紙の書籍に付せんをつけ、その付せん上にメモをするような形で、電子書籍上に直接手書きメモができるわけではありません。

メモした手書きメモは、メモ一覧としてまとめてエクスポートする機能も搭載されています。
今までの「テキストメモ」同様に、メモデータをまとめられます。

ただし、固定レイアウトの電子書籍は対象外です。
固定レイアウトの電子書籍では、ペンのメニュー自体が表示されません。ページに付せんをつけることはできますが、メモを入れることはできません。

PDFファイルは、USBで入れると手書きメモ使えないので注意

PDFファイルには、「Send to Kindle」機能を使えば、手書きメモ可能です。
正式に買った電子書籍には手書きメモすることができず、自炊などしたPDFでは書ける、というのは、何とも皮肉な話のようにも思います。

Eメールかブラウザアップロードの「Send to Kindle」機能を使えば、PDFに書き込み可能

ただし、「Send to Kindle」機能を使って取り込んだPDFファイルは、文字の選択ができないため、辞書引きができません。

もう一つ注意点としては、USB経由でPDFを直接端末に取り込むと、手書きメモが使えません(テキストメモは可能です)。
そのかわり、PDF内でのテキストを辞書引きで検索することができるようになります。

同じファイルをUSB経由で入れてみると、文字を認識して辞書引きやハイライトも可能。ただし手書きメモは不可

PDFの転送方法によって使える機能が変わるのは、厄介ですね。
両方の機能が統合されて、手書きメモも辞書引きもできるようになればいいですね。

Kindle Scribeは、「Kindle」の枠を超えつつある次世代の電子ペーパー端末。今後の展開にも期待したい

今まで、多少のテキストメモはできるものの多くは「読むだけ」であったKindleが、「書く」「メモする」という機能を拡充してきました。

端末が大きく・重くなったことで、「手持ちで利用」より、膝の上やテーブルの上での利用、というように、利用シーンが変わるかもしれません。
ただ、ペン対応により使える機能が増えるのは、非常にうれしいです。

書き心地や操作感は本当に素晴らしいと思います。
課題は、メモ・ノートの他端末(PC・クラウド含めて)の連携でしょう。個別にファイルを送受信するのであればそこまで問題にはならないですが、ファイル数が増えるとつらくなると思います。

第1世代が出たばかりですし、機能面ではアップデートに期待したいところですね。

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